銃砲全国一斉検査の開催時期と検査内容!参加できない場合は……?

猟銃を所持する人にかせられる義務の一つに年に一回の銃砲検査があります。

これは警察が実施する検査で、「一斉検査」や「銃検」と呼ばれているものですが正式名称は「銃砲全国一斉検査」といいます。

日頃から法律を遵守している人にとっては平日に開催されるという点以外は大きな問題は無いと思います。

しかし平日に開催されるため、人によっては指定された日に参加できない方もいらっしゃると思います。

そこで、このページでは銃砲全国一斉検査の内容や開催時期、そして指定日に検査を受けれなかった時の対処法についてご紹介していきます。

銃砲全国一斉検査の目的と内容

銃砲全国一斉検査の目的は名前の通り猟銃に関する検査です。

ちなみに検査対象は猟銃本体だけでなく、猟銃の使用実績や実包の使用実績、許可者の心身の状態など多岐にわたります。

猟銃本体の検査は違法改造がされてないか、所持許可証の記載内容と相違ないかを目視されます。

使用実績についてはクレー射撃のスコア表、火薬類の使用実績等から検査され、ここで長期間にわたり使用実績が無い銃(眠り銃)が発覚した場合は取り消しの対象候補となります。

警視庁から配布される全国一斉検査の通知にも

3年以上使用実績のない猟銃等については、所持許可の取消し(法第11条第5項)を積極的に行うこと。

と明記されています。

一斉検査の前にはできるだけ全ての猟銃の使用実績をつくっておきましょう。

そして最後に警察官との面接があります。

これは所持許可を申請したときと同じような内容で健康状態からはじまり借金の有無、病気の有無、家族との仲などを確認されます。

銃砲全国一斉検査自体は会場が込み合っていなければ30分もあれば終わる検査です。

銃砲全国一斉検査の開催時期

銃砲全国一斉検査は基本的に毎年4月1日から5月31日までに完了することと規定されています。

そのため、都道府県や所轄の警察署によって開催される日付はばらばらです。

過去に一度、銃砲検査と天皇の行幸の時期が重なったため、万全を期すために銃砲検査の時期を大幅にずらし1月に実施されたこともあります。

検査日や受付時間については検査が実施される約1ヶ月前頃に警察より案内の入った封書が届きますので必ず開封して確認するようにしましょう。

銃砲全国一斉検査に必要な持ち物

次に銃砲検査に必要な主な持ち物です。

全国共通の持ち物は

  • 所持している猟銃すべて
  • 猟銃・空気銃所持許可証
  • 猟銃用火薬取扱状況表
  • となっています。

    ただ、都道府県によっては

  • 保管場所の間取り図
  • ガンロッカーの写真
  • の提出を求められる場合もあるようです。

    持ち物については余分なものは持参してはいけません。
    下手に余分な記録や実績を提示した場合、来年からも提出を求められるようになり自分の首を絞める事となります。必ず必要と書かれている物のみ持参しましょう。

    また、銃砲検査を受ける際には「銃砲検査自己申告書」と「面接調査票」の書類が必要となりますが都道府県によって、案内通知のなかに同封されている場合もあれば、当日検査会場で配布され検査会場で記入する場合があります。

    「銃砲検査自己申告書」と「面接調査票」が同封されていた場合はスムーズに検査を進めるために事前に記入していきましょう。

    銃砲全国一斉検査に参加できなかったら……?

    何度も言いますが銃砲全国一斉検査は義務です。

    可能な限り指定された日に検査を受けなければいけません。

    しかし、入院や遠方への出張などどうしても日程が調整できない場合があるとおもいます。

    その場合は必ず事前に生活安全課に連絡を入れる事で別の日に個別に検査を実施してもらう事が可能です。

    また生活安全課の管轄するエリアが広い場合は別の日に違う場所で実施している場合もあるのでとにかくまずは生活安全課に電話を入れましょう。

    事前に連絡も行わず、検査を受けなかった場合はほぼ確実に所持を取り消されると思ってください。

    銃砲全国一斉検査で所持許可が取り消しになった事例

    そして最後に所持許可が取り消しになった事例についてです。

    冒頭でも述べましたが銃砲全国一斉検査は日頃から法律を遵守し、猟銃の改造等を行わなければ決して難しい検査ではありません。

    しかし、実際に銃砲検査で実際にあった取り消し事例について紹介いたします。

    運べなかった猟銃を車に置いてきた

    銃砲検査は所持している猟銃すべてが検査の対象となります。

    すなわち、猟銃を複数丁所持している方はすべての猟銃を検査会場に持参しなければなりません。

    この事例は猟銃を3丁以上所持していた人の事例でなのですが両手に1丁ずつ持ち、持ちきれなかった猟銃を車においたまま会場に出向いた事例です。

    本人は会場に猟銃を置いて、すぐに取りに戻れば問題ないと考えていたようですが猟銃を車に置いた状態で車から離れた時点で「所持」している状態ではなくなっています。

    また、会場に置いておいた猟銃も会場から離れた時点で「所持」しているとは言えません。

    なんらかの工夫をして一度に運搬できるようにしましょう、

    仮にどうしても運べない場合は運べなかった猟銃はいったん自宅のガンロッカーに保管しておき、持ち込んだ猟銃が検査がおわれば一度家にもどり保管庫に保管して、検査が終わってない猟銃をもって再び検査会場へ向かうしかありません

    暴発した

    恐ろしい事に銃砲全国一斉検査の会場では何度か暴発事故が起きています。

    理由としては実包を猟銃の中に入れたまま忘れている事です。

    クレー射撃の場合は実包を入れたまま忘れるなんてことはまずありませんが、狩猟の場合はわりとよくあるようです。

    常日頃から
    「射撃の直前までは実包を装填しない。」
    「射撃する必要が無くなった場合はすぐに脱泡する。」
    という事を遵守しましょう。

    規定数以上に装填できてしまった。

    猟銃は弾倉(マガジン)に装填できる実包の数が決まっています。

    この事例は自動銃で起きた事例なのですが自動銃の場合は弾倉に2発、機関部に1発、最大3発の実包を装填することができます。

    しかし、この規制は日本だけのものであり海外で作られた猟銃は機関部に1発、弾倉に4発入る設計になっているものが多いです。

    そのため、日本では弾倉に2発以上はいらないように加工されているのですが、一部の銃はその加工をは簡単に解除することができてしまいます。

    カモ撃ちなどでとにかく連射したいと考えた人物が加工を外し、そして直し忘れたまま銃砲検査に挑んでしまった事例です。

    この場合も欠格事項に該当するため取り消しの対象となります。

    ポイント

  • 銃砲検査は参加しなければ取り消しになる
  • 銃砲検査に参加できない場合は必ず事前に連絡をいれる
  • 常日頃から法令を遵守する
  • 銃砲検査を受ける前に自分で検査を実施する