そもそも猟銃所持許可証って何?

銃刀法第3条では危害防止上の必要性から猟銃の所持は禁止されています。

しかし、社会生活上必要であると認められた場合は所持が認められています。

“社会生活上で必要”と聞くと猟師で生計を立てている人のように見えますが、銃刀法では禁止の除外事由も定められており公安委員会が所持許可を出した場合は除外事由に該当します。

つまり
「猟銃所持は禁止だけど公安委員会が認めた場合は除外してあげるよ」
という制度です。

非常にややこしいですが、そこまで重要ではないので理解できなくてもこの時点では問題ありません。

猟銃”免許証”ではなく猟銃所持”許可証”

一般的には猟銃所持許可証の事を「猟銃免許」と呼ばれている事がおおいですが、正式名称は「猟銃・空気銃所持許可証」であり「免許証」ではなく「許可証」となっています。

まるで揚げ足をとっているようですが「免許」と「許可」では意味外が大きく違ってきます。

免許とは「禁止されている事柄を解除する」という事ですが許可の場合は名前の通り「許可」されているだけです。

少々わかりにくいかもしれませんが、運転免許を例にあげてみると運転免許の場合「車を運転する権利が与えられる」という事に対して猟銃所持許可の場合は「指定した猟銃を所持する事が許される」という違いがあります。

結果として「禁止されていることが可能となる」という点は変わりませんが許可の場合は権利が認められたわけではないので簡単に取り消す事ができますし、申請者に問題があれば許可しないという選択肢もあります。

すなわち、猟銃所持許可が発行されたからといって「公安委員会に猟銃を扱う権利が認められた」訳ではなく、むしろ「お許しをもらっている」という状態にすぎません。

所持許可がでても思い上がらないように注意しましょう。

猟銃所持許可証の仕組み

次に猟銃所持許可証の押さえておきたい制度について紹介します。

一銃一許可制

猟銃の所持許可制度には「一銃一許可制」という制度があります。

これは一つの許可は一つの猟銃にしか効力が無いという意味です。

例えば車の免許の場合ですと、車の免許さえあればどの車を運転しても問題ありません。

しかし、猟銃所持許可の場合は決められた銃しか所持を認められません。

つまりどういうことかというと、猟銃所持許可証を持っていたとしても他人の猟銃に触れば銃刀法違反になりますし、複数の猟銃を持ちたい場合は猟銃一丁につきそれぞれの所持許可証を取得しなければなりません。

猟銃の数だけ所持許可証があるという訳です。

事前登録制

猟銃を所持する場合は購入したり譲り受ける前に警察署に所持許可の申請を行わなければなりません。

当たり前のように思われるかもしれませんが、昭和初期のころは銃砲店で鉄砲を買って後で警察に報告するだけでよかったのです。

銃砲店の場合はしっかりしているので所持許可を持たない人には猟銃を譲り渡しませんが、友人からもらう約束をしている場合などは注意が必要です。

仮に所持許可を受ける前に譲り受けていた場合は銃刀法の不法所持で処罰の対象となり所持許可ははく奪、譲り渡した側も所持禁止違反の幇助(ほうじょ)に該当し処罰されます。

ポイント

・猟銃免許ではなく所持許可証
・許可証だから簡単に剥奪可能
・鉄砲の数だけ免許証が必要
・猟銃の受け渡しは許可が出てからじゃないと銃刀法違反。