賃貸マンションや借家でも猟銃所持許可は発行されるの?

猟銃を所持する上でどうしてもネックとなるのが猟銃の保管場所。

持ち家の人は特に困ることは無いとは思いますが問題は賃貸マンションや借家に住む人たちです。

「賃貸に住んでいる人や借家に住んでいる人は許可されない」という噂を聞いたことがありますが、実際はそんなことはありません。

ただし、賃貸業者や大家に許可が必要になるという点については持ち家に住んでいる人よりハードルが上がることは確かです。

そこでこのページでは賃貸物件や借家に住んでいる人のために「賃貸物件で猟銃を所持する方法」について解説していきます。

賃貸物件で猟銃を保管する

猟銃を所持する人が負う義務の一つに「保管義務」というものがあり、その中に「自ら保管の原則」というものがあります。

これは猟銃所持許可者は原則として許可を受けた銃を自ら保管しなければならないというものです。

つまり、原則として自宅に猟銃を補完しなければならないのですが賃貸の場合、ほとんどの契約書には「刀剣、銃砲の保管の禁止」がうたわれています。

まずは賃貸物件に住んでいる人は賃貸契約書の禁止事項について確認するところから始めましょう。

もし、賃貸契約書の禁止事項に猟銃等を保管することが禁止されていた場合、取れる行動は次の三つです。

  • 「貸主に事情を説明し許可を得る」
  • 「猟銃等保管業者に保管を委託する」
  • 「貸主に相談せず、無断で保管する」
  • 貸主に事情を説明し許可を得る

    一番の正攻法は物件の貸主に連絡をいれ、事情を説明して許可を得る事です。

    許可が出るか出ないかは貸主の考え次第なので一概にはどう転ぶかはわかりません。

    個人的な感想としては田舎に行けば行くほど貸主が許可する場合が多く、都会に行けば行くほど許可されないイメージです。

    特に物件の所有者が個人ではなく企業の場合は高確率で許可されないことが多いようです。

    しかし、今後の事を考えると事前に貸主と協議しお互いが同意したうえで所持することが一番望ましいです。

    猟銃等保管業者に保管を委託する

    物件の貸主に相談したけれど、どうしても許可がされなかった場合は「猟銃等保管業者」に委託することで猟銃の所持を受けることができます。

    猟銃等保管業者とは名前の通り猟銃の保管を委託している業者の事で一般的には銃砲店や射撃場などが該当します。

    冒頭の「保管義務」で自宅に保管しなければいけないと説明しましたが、あくまで原則であり、例外として「賃貸住宅で賃貸人から自宅に保管設備を設置することを禁じられた場合」と明記されています。

    ただ問題なのが地方によっては保管業務を行っている銃砲店や射撃場がなかったり、クレー射撃や狩猟に行くときにわざわざ取りに行かなければいけないという手間が発生します。

    また、当然のことながら保管費用も発生しますので余分なコストも発生してしまいます。

    貸主に相談せず、無断で保管する……?

    明らかに貸主が許可しない事がわかっていて、近くに委託保管を行っている業者が無い場合は貸主に許可を得ないで所持するという手もあります……。

    ここから説明する内容はかなりグレーゾーンですので、もし実行される場合は自己責任にて行ってください。

    本来であれば賃貸物件に住んでいる場合は貸主に対して猟銃を保管する旨を連絡するべきです。

    しかし、貸主からすれば余計なリスクは負いたくないため、たいていの場合はひとまず拒否します。

    貸主が個人の場合はしっかり説明すれば納得してもらえることもありますが、企業や会社の場合は許可しないの一点張りになる可能性が高いです。

    そういった時に備えて、あえて貸主に相談しないという手もあります。

    ただ、後から発覚した場合、契約違反を理由に追い出される可能性はあります。

    「公安委員会(警察)が許可しているのに、なぜ賃貸業者が許可しないんだ」と思われる方もいらっしゃるかとは思いますが、賃貸業者の立場にたつと「銃を所持する人には家を貸さない」という権利もありますので一概にはどちらの効力が上かは決めることができません。

    ただし警察はできるだけ所持許可者を減らしたいので、貸主ともめた場合は確実に貸主側に肩入れすると考えておいた方が無難です。

    そして「身辺調査の時に貸主に発覚してしまう」という話もよく聞きますが、これも五分五分といったところです。

    身辺調査は所持許可を申請している人の親しい人に行われるため、意外と賃貸の貸主に行われることがなく、調査先も申請者が指定できるのであまり発覚することはありません。

    上手くいけば貸主にバレないまま猟銃を補完することができることもあります。

    ただ、何度も言いますがこの方法はほぼ黒に近いグレーな内容です。

    所持許可が発行されてから貸主にばれたりすると面倒なことになるので本当の最終手段と考えてください。

    ちなみにこの方法はまだ所持許可が出ていない段階でしか使えません。

    すでに所持許可が出ている人が引っ越す場合は「告知義務」というものがあり、新たに入居する前に貸主に対して必ず猟銃を補完する旨を報告しなければならないと定められています。

    まとめ

    ・賃貸でも所持はできる
    ・賃貸業者や大家に許可を得よう
    ・許可がでなかったら委託保管という手もある
    ・最悪、こっそり保管することもできたりして……(自己責任)
    ・既に許可が出ている場合は必ず報告しないと義務違反

    12 件のコメント

  • 大変参考になりました。私の場合は大家さんはok出てるんですが…『身辺調査で両隣と上の住人には聞かないで自分だけで静に持ってるなら良い…』と返答が来てしまいました。警察は何故住人に聞き込むのかが理解不能です。指定した以外に私の事を知らない人に聞いても意味が無いと思いますが…如何なんでしょうか?最悪射撃場か銃器屋に保管するしかないとは思っては居ます。装弾は自宅管理しても問題ないでしょうか??

    • 石川様
      コメントありがとうございます。ご質問にお答えします。
      >>指定した以外に私の事を知らない人に聞いても意味が無いと思います
      まったく私も同意見ですが警察としては石川様の情報を少しでも収集したいのと「聞き込み調査を行った」という既成事実が必要なのだと思います。
      つまり警察としては仮に石川様が事故や事件を起こした際に「警察は規定にそって調査を行っていたので警察には責任は無い」という事を言いたいわけですね。
      ちなみに私の場合は引越し直後だったので、私の事をろくに知らない隣人聞き込みが行われ”私が鉄砲を所持しようとしている”という情報だけが無駄に流れました。
      元から住んでいた近所の方からすれば第一印象は最悪だったのではないでしょうか(笑
      ただ警察署によっては考慮して「職場の同僚のみに聞く」といった事を行ってくれるところもあるようです。

      >>装弾は自宅管理しても問題ないでしょうか??
      保管場所を申請する際に装弾の保管場所についての記載事項があるのでそこで記入すれば問題ありません。
      しかし銃砲を銃砲店等に預ける場合、装弾のみを家で保管するメリットがありません。
      クレーや狩猟などで銃砲が必要になった時、銃本体を銃砲店に銃砲を取りに行く際に一緒に装弾も持ち出せばよいからです。
      むしろ装弾のみを家で保管するには装弾ロッカーが必要となったり盗難といったデメリットの方が多いです。
      私としては「銃砲本体を銃砲店に預けるのであれば、装弾の保管も一緒に銃砲店に管理してもらった方が良い」と考えます。
      法律上は問題ありませんが、おそらく同じような事を警察からも言われると思われます。

  • 後もう一つ質問が有りました。先日、不動産屋に相談しました。大家さんは不動産屋に任せてると言う事だったので……それは、不動産屋は自宅管理は認めてくれては居ますが隣の住人には聞きに入らないで欲しいと……そう文書で言われたらば…?どうしたら良いのやら…なるべくならば、自宅管理が良いのでしょうが……『外に保管する』と言っても警察さんも住人には聞き込みに行くのでしょうか?又、不動産屋は聞き込む事を許可為てはクレルのでしょうか?自宅管理をする前提で警察さんに既成事実を作る理由で住人に聞き込ませない方法は無いのでしょうか?

    • 石川様、ご質問ありがとうございます。お返事が遅れて大変申し訳ありません。

      >>『外に保管する』と言っても警察さんも住人には聞き込みに行くのでしょうか?
      警察の聞き込みは人物調査と保管場所調査の2つの意味があります。おそらく高確率で調査が行われるかと思いますが、事情を説明すれば調査対象者を変更してもらえる可能性はあります。

      >>又、不動産屋は聞き込む事を許可為てはクレルのでしょうか?
      そればかりは不動産次第なので適当な事は申し上げれません。ただ不動産が聞き込みを行わせないという権利は無いのではないでしょうか

      >>自宅管理をする前提で警察さんに既成事実を作る理由で住人に聞き込ませない方法
      正攻法の方法としては警察にしっかりと事情を説明する事だと思います。
      「近隣との付き合いがないため調査をしても無駄だし、持っていることを知られたくない」
      「不動産会社は許可はしているが知られない様に努めるよう言われている」
      「私の身元や人物調査は代わりの人(別の友人、同僚、上司)などが調査を受けてくれるので、そっちに調査してほしい」
      などです。
      ただこれも警察によって対応が変わり、事情を汲んでくれるかどうかは、管轄の警察次第でしょう。
      しかし事情を説明したほうがいいことには変わりないので、一度しっかりと警察としっかり相談されてみてはいかがでしょうか。

  • >警察は何故住人に聞き込むのかが理解不能です。指定した以外に私の事を知らない人に聞いても意味が無いと思いますが…如何なんでしょうか?

    「私」のことを知らなくても、悪い噂、近所トラブル等は知れ渡るものです。とくに集合住宅の場合は、名前がわからなくても「○○号室の男は・・・」となります。
    私は戸建てですが、隣近所7~8軒に聞き込みをして、「tetsuさんをご存知だったのは2軒だけでした。」ということでした。(所轄の担当者の話)
    ですので、近所とのトラブル等がなければ、その程度でも許可は下りるということです。都道府県によって違いはあるかもしれませんが。

  • 管理人様
    同じような問題で悩んでいたところでしたので非常に助かりました。
    私の場合賃貸から車で5分程度のところに実家がありますのでそちらに引っ越してからにしようかと思います。何か月以上住まなければならない等の規制はあるのでしょうか?ご存知でしたらご教示くださいませ。

    • ペペラッチ様、ご質問ありがとうございます。ご回答させていただきます。
      ご質問にありました「何か月以上住まなければならない等の規制」については現時点では見たことも聞いたこともありません。
      私が所持した際は
      ①借家の大家が許可しないため引越し(県境だったため隣の件へ)
      ③引っ越して間もなく申請
      という風にほとんど見慣れぬ土地で申請しましたが受理されました。(引っ越した理由は聞かれましたが)
      ですので、今回頂いた質問については別段問題ないと思います。

  • すでに所持許可が出ている人が引っ越す場合は「告知義務」というものがあり、新たに入居する前に貸主に対して必ず猟銃を補完する旨を報告しなければならないと定められています。
    ↑上記に関するソースのような法的記述はどのあたりにあるかご存じでしたらご教授いただけませんでしょうか。

    • 一般的な賃貸契約は禁止事項に「銃砲、刀剣類又は爆発性、発火性を有する危険な物品等を製造又は保管すること。」と書いてあるので違反すると退去になりますよ。公安委員会の許可があるかないかではなく家主と借主の約束なので、法的に犬を飼うことはできますがペット不可のアパートで飼えないのと同じです。

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